渋谷遠足逮捕事件・国会での質問

Ainu_puyarA2008-11-23


国会質問(質問趣意書)2 質問者:阿部知子 答弁者:麻生太郎

平成二十年十一月六日提出
質問第二一二号

「リアリティツアー2 六二億ってどんなだよ。麻生首相のお宅拝見」ツアー参加者の逮捕勾留に関する質問主意書

提出者  阿部知子

 本年十月二十六日午後三時五十分前後、「麻生首相のお宅拝見」ツアー(以下「ツアー」という。)の参加者のうち三名が、突如警視庁渋谷警察署の警察官に現行犯逮捕される事件が発生した。右を踏まえ、以下質問する。

一 我が国における「集団示威運動」または「集団示威行動」、「集団行進」の定義、及び要件についての政府見解を明らかにされたい。
二 当日、渋谷警察署警備課課長は、「ツアー」参加者に対し麻生邸の規制区域に近づいたら「五、六名ずつ行く分には構わない」、「歩道を歩く分にはいい」旨を通知していたと聞いている。「ツアー」参加者はその指示通り行動していたにもかかわらず、同署は規制区域からはるか遠い地点で、警告もなしに参加者三名を逮捕した。
 ? 渋谷警察署警備課課長が参加者に通知した内容を把握しているか。また、同課長の通知内容は、当日の「ツアー」は集団示威運動または集団行進ではないと認識し許可したものと言えるが、政府の認識及びその根拠を明らかにされたい。
 ? 何ら警告もなしに三名を逮捕した事実を把握しているか。
三 「東京都集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例」(以下「東京都公安条例」という。)第一条には、「道路その他公共の場所で集会若しくは集団行進を行おうとするとき、又は場所のいかんを問わず集団示威運動を行おうとするときは、東京都公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。但し、次の各号に該当する場合はこの限りでない。 1 学生、生徒その他の遠足、修学旅行、体育、競技 2 通常の冠婚葬祭等慣例による行事」と定められている。
 憲法第二十一条には、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」とあり、東京都公安条例第一条は、憲法第二十一条に違反すると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。もし憲法違反でないとするならば、その根拠を示されたい。
四 今回の「ツアー」参加者三名の逮捕は、憲法第二十一条に違反すると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。もし違反しないというのであれば、その根拠を示されたい。
五 東京都公安条例第四条には、「警視総監は、第一条の規定、第二条の規定による記載事項、前条第一項但し書の規定による条件又は同条第三項の規定に違反して行われた集会、集団行進又は集団示威運動の参加者に対して、公共の秩序を保持するため、警告を発してその行為を制止その他その違反行為を是正するにつき必要な限度において所要の措置をとることができる。」と定められている。今回の「ツアー」では、東京都公安条例違反として逮捕された被逮捕者に対し、警告も発せず、違反行為の是正をすることもなかった。にもかかわらず逮捕に及んだという事実を把握しているか。もし、警告を発したり、是正をしたというならば、何時何分、誰が、どのような警告を発したと把握しているか明らかにされたい。
六 今回の「ツアー」の現場において、被逮捕者三名の逮捕を指示したのは誰と把握しているか。所属、階級、氏名を明らかにされたい。
七 今回の「ツアー」において、通常、警備にあたる警察官以外に、私服警察官が三十人ほど動員されており「ツアー」参加者を監視していた。
 ? 私服警察官はどのような職務にあたっていたと把握しているのか。職務内容を明らかにされたい。また動員を指示したのは誰か。所属、階級、氏名を承知しているか。承知しているならばそれぞれについて明らかにされたい。
 ? 「ツアー」への私服警察官の動員は、「ツアー」参加者の人数を超えるものであり、明らかに過剰警備と考える。このような事実を承知しているか。これは過剰警備と考えるかどうか政府の見解を明らかにされたい。過剰警備と考えないのであれば、その根拠を示されたい。
八 政府は、首相の私邸である麻生邸を拝見する今回の「ツアー」に関する情報を事前に把握していたと考えるが、この情報を把握したのはいつで、どの機関か。また、政府は、この「ツアー」が単に麻生邸を拝見するに過ぎないものであるということを事前に承知していたのか。更に、警備についてなんらかの指示をしたのか。したとすればいつ、どの機関の誰が指示をしたのか。指示をした根拠は何か。明らかにされたい。
九 政府は、今回の「ツアー」における被逮捕者三名に接見禁止がついていない段階で、弁護士が二時間あまりも被逮捕者に接見できなかったという事実を把握しているか。していたとすれば、二時間も弁護士に接見させなかったのは、人権問題と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
十 今回の「ツアー」での被逮捕者三名の押収品のすべては、被疑事実と関係のない衣服、靴、携帯電話、ノート、手帳、鍵などであった。これらを領置品とせず、押収品としている事実を把握しているか。押収品とすることは法的に問題があると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。法的に問題ないとすればその根拠は何か。
十一 今回の「ツアー」における被逮捕者のうち、アスペルガー症候群及び鬱病を罹患している一名に対する取り調べにおいて、取調官が、被逮捕者が携帯していた当人の悩みを綴った日記を当人の前で読み上げたが、このような事実を把握しているか。日記は、被疑事実とは関係ないものであり、取調官の行為は被逮捕者のプライバシーを侵害するものであり、かつまた被逮捕者に対する精神的拷問にあたると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
十二 警視庁は今回の「ツアー」での被逮捕者を勾留し続けている。被逮捕者は、現行犯逮捕されており、勾留を続ける根拠はないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。

国会質問(質問趣意書)と答弁1 質問者:鈴木宗男 答弁者:麻生太郎

平成二十年十月三十日提出
質問第一七六号

麻生太郎内閣総理大臣の自宅を見に行こうとしたデモ隊の逮捕勾留に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男

 本年十月二十六日午後四時前後、麻生太郎内閣総理大臣の自宅を見に行こうとし、渋谷駅付近を歩いていたデモ隊(以下、「デモ隊」という。)のうち三名が、突如渋谷警察署の警察官に現行犯逮捕される事件が発生した。右を踏まえ、以下質問する。

一 一般に我が国において、公道等公の場所において数人の人間が隊列を組み、プラカードや風船等、何らかの掲示物を掲げ、何らかの主張を叫びながら行進する等のデモ行為(以下、「デモ」という。)を行う際、事前にどの様な届出、手続を行うことが求められるのか説明されたい。
二 一の届出、手続をしなくても、「デモ」をすることが許される場合はあるか。
三 一の届出、手続をせずに「デモ」を行った場合、どの様な罰則の適用を受けるのか説明されたい。
四 今回逮捕者三名を出した「デモ隊」は一の届出、手続をせずに「デモ」をしていたのか。
五 一部報道によると、「デモ隊」は事前に渋谷警察署警備課長と話し合いをし、「デモ」を行うことを通告し、合意を得ていたとのことであるが、右は事実か。
六 公務執行妨害の定義如何。
七 今回「デモ隊」のうち三名が逮捕されたのはなぜか。三名の容疑は何か。
八 「デモ隊」のうち逮捕された三名が渋谷警察署に勾留されたのは十月二十六日の何時か。
九 三名に弁護士の接見が認められたのは十月二十六日の何時か。
十 三名を逮捕し、渋谷警察署に勾留し、同署に三名の弁護士が到着してから、同署が理由もなく接見をすぐに認めなかったという事実はあるか。

 右質問する。

内閣総理大臣 麻生太郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員鈴木宗男君提出麻生太郎内閣総理大臣の自宅を見に行こうとしたデモ隊の逮捕勾留に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


衆議院議員鈴木宗男君提出麻生太郎内閣総理大臣の自宅を見に行こうとしたデモ隊の逮捕勾留に関する質問に対する答弁書

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一 一般に我が国において、公道等公の場所において数人の人間が隊列を組み、プラカードや風船等、何らかの掲示物を掲げ、何らかの主張を叫びながら行進する等のデモ行為(以下、「デモ」という。)を行う際、事前にどの様な届出、手続を行うことが求められるのか説明されたい。
二 一の届出、手続をしなくても、「デモ」をすることが許される場合はあるか。
三 一の届出、手続をせずに「デモ」を行った場合、どの様な罰則の適用を受けるのか説明されたい。

                                                                                                                                                              • -


一から三までについて

 御指摘の「デモ」に関しては、地方公共団体により規制の態様等が必ずしも一律ではないため、お尋ねに一概にお答えすることは困難である。
 警視庁によると、御指摘の事案が発生した東京都においては、集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例(昭和二十五年東京都条例第四十四号。以下「条例」という。)第一条の規定により、道路その他公共の場所で集会若しくは集団行進を行おうとするとき、又は場所のいかんを問わず集団示威運動を行おうとするときは、東京都公安委員会の許可を受けなければならないこととされているとのことである。また、条例第二条の規定により、当該許可の申請は、主催者である個人又は団体の代表者(以下「主催者」という。)から、集会、集団行進又は集団示威運動(以下「集団行動」という。)を行う日時の七十二時間前までに、主催者の住所及び氏名、集団行動の日時及び進路、参加予定人員、集団行動の目的等の事項を記載した許可申請書三通を開催地を管轄する警察署を経由して提出しなければならないこととされているとのことである。さらに、条例第五条の規定により、条例第一条の規定に違反して許可を受けずに行われた集団行動の主催者、指導者又は煽動者は、一年以下の懲役若しくは禁錮又は三十万円以下の罰金に処することとされているとのことである。

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四 今回逮捕者三名を出した「デモ隊」は一の届出、手続をせずに「デモ」をしていたのか。

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 警視庁によると、御指摘の事案については、条例第二条に規定する許可の申請はなされていなかったとのことである。

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五 一部報道によると、「デモ隊」は事前に渋谷警察署警備課長と話し合いをし、「デモ」を行うことを通告し、合意を得ていたとのことであるが、右は事実か。

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 警視庁によると、警視庁渋谷警察署の警備課長が、御指摘の事案について条例第一条に規定する集団示威運動が行われることに同意したという事実はないとのことである。

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六 公務執行妨害の定義如何。

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 公務執行妨害罪については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第九十五条第一項において、公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者を罰する旨を規定している。

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七 今回「デモ隊」のうち三名が逮捕されたのはなぜか。三名の容疑は何か。

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 警視庁によると、御指摘の三名のうち、一名については条例第一条違反により、他の二名については公務執行妨害罪により、それぞれ逮捕されたとのことである。

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八 「デモ隊」のうち逮捕された三名が渋谷警察署に勾留されたのは十月二十六日の何時か。

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 警視庁によると、条例第一条違反により逮捕された被疑者については本年十月二十六日午後四時七分に、公務執行妨害罪により逮捕された被疑者二名のうち一名については同日午後四時九分に、同罪で逮捕された他の一名については同日午後四時十一分に、それぞれ警視庁渋谷警察署司法警察員に引致されたとのことである。
 なお、警視庁によると、三名とも、本年十月二十九日に勾留されたとのことである。

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九 三名に弁護士の接見が認められたのは十月二十六日の何時か。

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 警視庁によると、条例第一条違反により逮捕された被疑者については本年十月二十六日午後七時六分から、公務執行妨害罪により逮捕された被疑者二名のうち一名については同日午後七時二十四分から、同罪で逮捕された他の一名については同日午後八時五分から、それぞれ弁護士と接見したとのことである。

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十 三名を逮捕し、渋谷警察署に勾留し、同署に三名の弁護士が到着してから、同署が理由もなく接見をすぐに認めなかったという事実はあるか。

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 警視庁によると、御指摘のような事実はないとのことである。

国会質問と答弁2(11月14日・衆議院法務委員会) 河村たかし民主党

2008.11.14 衆議院法務委員会 質疑者 河村たかし

河村たかし民主党・無所属クラブ):えー、河村たかしでございますが、まず一問目の方はですね、こないだ麻生さんちのうちをですね、えー、何人かの方が見に行くといくツアーをやられましてですね、これが。それで、まあ逮捕されてしまったということで。この逮捕がですね、不当な逮捕ではないかと、不法な逮捕、違法な逮捕ではないかという疑惑がある、ということで、まあそのことについてお伺いしたい。まずあの昨日ちょっと電話しましたけど、総理の方にね。あの、この総理はこのまずビデオ、YouTubeというらしいですけど、そこに出たらしいですけど、これ見ておられますかね。

原(内閣官房原内閣審議官):お答え申し上げます。お尋ねのビデオのことでございますけど、麻生総理は見ておられないものと承知しております。

河村:そりゃー残念でございます。まあ、今、外国に行っておられるようで、まあお忙しいと思いますけども、ぜひ、あの、自分のうちへ来た方のことでございます。ぜひ、あの、見ていただくよう総理にお願いしたいと思います。ということは、その感想というのは、まあ見てないってことですけど、このお話自体は知っておられると、報告は上がっておりますか。

原:えー、本件につきましては、あのー、被疑者が逮捕された後、速やかに総理大臣秘書官を通じまして麻生総理に報告はされたものと承知しております。

河村:で、どういう感想を言っておられたですか。

原:えー、あの感想ということでございますが、あのー、麻生総理がどのような感想を持たれたかにつきましては、承知をしておりません。

河村:えー、わかりました。まあ、それまたぜひ、あの、見ていただいて、これね。そのご感想をまた聞かせていただきたいということで、ぜひ、あの、見ていただくよう、秘書官にお願いしていただきたい。

原:先生の方からあのビデオを見ていただくようにというご要請があったことについては秘書官にお伝えします。


河村:えー、ありがとうございます。じゃあ次、森大臣に。あのー「当たり公妨」ちゅう言葉があるんですが。これちゃんと質問通告してありますから。「当たり公妨」ちゅうのはご存知か。どうですか。ご感想はどうですか。

森英介法務大臣):あいにくまったく存知ませんでした。まあ、あの、今回担当者から説明を受けたところでは、あ、そのお尋ねの言葉は、あの、これインターネットかなんかで、えー、その担当者も見たらしいんですが、あー、警察官が自分から体当たりしておいて、えー、公務執行妨害で相手を逮捕する事態を指す言葉として使われてるのじゃないかなーということを、報告を受けました。

河村:いやー、そういうことがあるらしい。ワシも知らなかったんですよ、これ。ええ。よくこういうことをやってですね、あの、まあ、パクると、いうことがあるらしいんで。ええ、まあ、あの、大臣、あの、ちょっと話を聞いていただいて。私も正直言ってねえ、あの、言うことが全然違うもんでね。で、私の推測ではわからないから、当事者に、あの、昨日電話ですけど、本人に聞いております。ええ、これは。で、ここで言えるわけですけども。警察側が言うのとね、ご本人たちが言うのとまったく違うんですよ、これ、はっきり言って。だからね、あのー、まあ、よう大臣聞いとってくださいね。それでは警察側に聞きますが、あの、ちょっと時間がないですから、もう一問刑務所の話しなきゃいかんですからね、短くですね、一応今回の概要をですね、あの、説明いただけますか。

警察庁池田警備局長:えー、今回の事件の概要はですけれども、えー、呼びかけに応じて集まった約60名の方が、あー、10月26日の午後3時すぎごろから、えー、「麻生首相のお宅拝見」と称するツアーに参加して、えー、いわゆるハチ公前広場で集会を行った後、麻生首相の私邸に向かって、えー、無許可の集団示威運動を行った、というものでございます。えー、警視庁におきましては、まあ3時50分ごろ、ツアーの参加者が、あー、渋谷区内の歩道上において、えー、東京都公安委員会の許可を得ずに、えー、集団示威運動を行ったということで、えー、東京都公安条例第一条違反により一名、えー、また3時51分ごろ、その被疑者を奪還するために、警察官に暴行を加えたと、えー、いうことで、公務執行妨害により、被疑者二名を現行犯逮捕したものでございます。

河村:えー、その今の、当の捕まったという人の話からすると、これ、なんかそのー、スクランブル交差点におったとき、いわゆるプラカードとかね、幕とか、ああいうものを下げてくださいと、ええ、で、みんな下げたと、それは。で、まあ、ビデオにのってますわね。始めのところで、最初、渋谷署のオマワリさんが出てきて、まあ麻生さんのうちの近所のところまではみんな行っていただいてよいよ、何十人かで。ところが、あとはまあ5人ずつで、デモにならんようにと、行ってくださいよ、それならいいよってことに、いったんなってますわね、これ。で、それに従ってずっとやっとったんだ、と。こういうわけですよ、それが。で、なんでこれが逮捕されてしまったんですかね。

池田:えー、当初ですね、あの、ご指摘の渋谷署の警備課長が、あー、了承を与えたというご指摘なんですけども、これは、あの、警備課長の方はですね、こういう行為をすると集団示威運動に当たるということで、そういう意味の指導をしていたわけでですね、これは。集団示威運動をすることの了承を与えたという事実はございません。えー、はい。

河村:局長見なかった?ビデオ?見た?

池田:えー、YouTubeの映像は見ております。

河村:そん中でええと言っとるじゃないですか。こういうふうならいいよと。

池田:こういうことをすると集団示威運動になると、ならないようにしなさい、ということを言っとるわけですね。で、えー、したがって、そういう示威運動をしてもいいという了承を与えてはおりません。

河村:示威運動はしてはいけません。集団示威運動をやったら、まあ集団という条件がついておりますけど、これは許可がいる、届け出がいると、いうことでしょ。それは、あの、厳密に言うと、そこらへんの文章があるんですよ、今日、あのみなさんに配布資料を出しまして、ちょっとそこの文章がありますけどね、えーと、そこはですね。ちゃんと映すといいんですけどな。これ、ビデオがあるもんで。「ああわかったね」と、「いいよ」と。そういうふうになってますわな。たしか。それだったら、行ってもいいということじゃないですか、それ。

池田:あのー、えー、先ほども申し上げたんですけども、たとえば集団示威運動というのは、プラカードを上げるとか風船を上げるとか、そういうような気勢を上げるような行為、こういうことをするなということを、あのとき言っておるんですね。そういう形で歩道上をですね、麻生邸の方に行かれるということであれば、これは集団示威運動ではありませんので、えー、当然行ってよいということで、そういうことを言っているのにすぎないわけでありましてですね、集団示威運動をやっていいということを言ってるわけではございません。

河村:それこそ当たり前じゃないですか、それ。集団示威運動をやるには届け出がいると。それは当たり前であってですね。そういうふうに、まあ全部そういうものを下ろして、そこまでは60人、あとは5人ずつならええよ、ということで行ったのに、なんで逮捕されたんですか。

池田:あのー、あのYouTubeの映像は、えー、行進が始まる少し前の映像だろうと思うんですけども、行進が始まるときにですね、えー、プラカードですとかああいうものを下げなさい、下げなきゃだめですよ、という警告をしてですね、それで、えー、行進が始まっております。その後、プラカードが上げられる、風船ですとか、そういうものが上げられる、こういう事態になりましてですね、それに対してこういうことはしちゃだめだと、警告をしたにもかかわらず、えー、プラカードを上げると、まあ、こういう行為があったので、これは東京都公安条例第一条違反であると、こういう判断をして逮捕したというふうに承知しております。

河村:まあそこんところは次がありますんで、後で検証していただきたいんですが、両方の言い分が全然違うと。で、次にその方が、これは公安条例違反で逮捕されましたけど、この人はあれでしょ、しかしビデオ見とるかぎりですね、「コーボーだコーボーだ」言うてやっておりまして、公安条例違反というふうに告げられとらんと思うんですけども。どうなっとんですか。

池田:あの「コーボーだ」というシーンはですね、おそらく公安条例違反の逮捕被疑者を逮捕した後にですね、奪還行為があったことについてですね、「コーボーだ」ということで映像が流れているのだと思います。

河村:で、次のとこ行きますけど、後の2人の方は今度は公務執行妨害ということで逮捕されたということになっておりますが、今、奪還行為があったということを言っておりますけど、ビデオを見る限り、奪還なんてありゃしねえんじゃないですかね。それこそ「当たり公妨」じゃないですかね。一人渋谷署のオマワリさんが来てですね、「おい!公暴だ!」と言ってですね、ちょっとここにも出てきますがね、あのー、わーと自分からぶつかっとるんですよ、はっきり映ってますよ、これは。自分からぶつかってる。大臣、ほんとによう見れるんですよ。やっぱ、これ、ビジュアルってすごいもんでしてね。きちっと見えます。これが偽造されてるという説は聞いたことないわな。これは。カットされとるところはありますけどね。となると、これは奪還されて、奪還に来たんでぶつかられて、というのは、それは嘘じゃないですか。え?

池田:えー、これはあの地域、えー、渋谷警察署の警察官二名に対してですね、体当たりなどをして奪還行為があった、えー、ということで公妨だというふうに判断したと承知しております。

河村:承知しております言いますけど、画面見ると全然違うんですよ。局長さん。しかし。どういう根拠で言っとるんですか、それ。

池田:まあ、先ほどご指摘もありましたように、画面は当然いろいろな場面をつないでいるわけでありましてですね、画面が映っているところが当然すべてではありません。えー、あのー、被害を受けた者がそのように確かに受けけたというふうに証言しておりますし、これ間違いないものというふうに承知しております。

河村:まあ、委員長こういうことで、ここは次に行かないといけないから、いっぺんですね、あの、やっぱりですね、過剰なですね、逮捕であったかなかったかということを、ちょっと情報をちゃんともらってですね、ご本人たちの主張はまあこれですよ、書いてあるでしょ。それからビデオがあります。いっぺんちょっと理事会で、理事会で協議するといい加減になるのが常ですけど、あの、まあ、しっかりやっていただきたいな、ということでございます。

山本幸三衆議院法務委員長):理事会で協議します。

国会質問と答弁1(11月13日・参議院法務委員会) 近藤正道社民党

2008.11.13 参議院法務委員会 質疑者 近藤正道

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近藤正道社会民主党・護憲連合):大臣よろしくお願いいたします。あの、最初にですね、先月の10月26日の夕方、あの、渋谷で起こったですね、あの事件について、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
えー、これはですね、えー、先月の26日の夕方、えー、渋谷のハチ公あたりで、若い連中が、その、歩いて行けるところに麻生総理の私邸、敷地だけでも62億円くらいするそうなんですが、これをですね、見に行こう。と、こういうことになって、そして、その後ですね、えー、歩き出したところ、まあ規模としては、あの、野次馬等もいましたんで、正確に何人くらいかわからないんだけども、まあ50人、野次馬を含めても100人くらいじゃないかと、そういうふうに言われておるんですが。まあ最初はですね、オマワリさん、近くにいたオワマリさんは、行くときはちゃんと歩道を通っていかなきゃだめだよ、で、総理のうちの前に行ったらですね、あの、5人くらい束になって、あの、歩いて行かなきゃだめだよ、と、そんな話をしていた。
ところが、固まって動き出して、赤信号で止まって、青になった途端にですね、私服の警察官がわっと襲いかかってきて、えー、そのー、3人逮捕された、と。まあ、一人が逮捕されて、そして、その逮捕を阻止しようとしている二人が公務執行妨害でやられたと。こういう事件だそうであります。

私はその後インターネットでそれを見たり、あるいは、あの、関係者の話を聞いたり、あの、作家の雨宮処凛さんなんかもいたそうなんでありますが、いろいろ聞きました。で、これはですね、逮捕後、まあ10日間の勾留がついて、全員釈放された、ということでありまして、果たしてそもそも集団的示威行動と言えるのかどうか、極めて、私は疑わしい、まあ、聞いた範囲でございますけれども、外形的な事実から見ても極めて疑わしいにもかかわらず、事前警告もなしに一挙にですね、その、いわば押さえ込もうとした。
で、これを、私は、まあ、見ましてですね、まあ、ごく普通の若者だったようであります。従来の政党とかそういう関係のない若者、格差の拡大とか貧困にですね、怒りを持ってる人たちが、こういう話をしてる中で、まあ62億円のうちを見に行こうと、こういう話になって、歩き出した、というところなわけでありまして、もう法律的にもですね、もうそもそも構成要件の、その該当性の点からも非常に問題があるし、あの、その、違法性の点から言ってもですね、大変、あの、問題があるにもかかわらず、その、問答無用で押しつぶして、そして、まあ、10日間の勾留後全員釈放した、と。
まさに見せしめ以外のですね、私は、何物でもない、というふうに、まあ思っておりまして。まあ、ここでですね、その、逮捕の違法性の議論をしたって、なかなか言うこと聞かないし、まあ、本来は警察の方に行くのが筋なのかもわかりませんが、その後、10日間の勾留がついたということでありますんで、これは法務行政の問題でもあるというふうに判断をいたしまして。そういう意味でですね、まあ、こういうですね、その、こう非常に露骨なまさに、まあ、私はそもそも公安条例の対象ではないと思うし、仮にあったとしても極めて微罪なものに対してですね、やっぱり国家権力を振りかざして押さえつける、襲いかかると。こういうやり方はね、私はやっぱり絶対やるべきではない、そういうふうに思います。
これからですね、あのー、まあ国会ではどんどん言いたいことを言ってる御仁もおられますけども、表現の自由とかですね、思想・表現の自由というものを考えればね、私は、もっと違った対応があってしかるべきだ。まあ、そういう意味でですね、えー、今回のやり方等について、法務行政のトップとしてね、どういうふうな所見をお持ちなのか、まあ私は率直に言って不当な弾圧だ、と、こういうふうに思いますが、大臣の見解をお伺いしたい。こういうふうに思います。

森英介法務大臣):これ、あのー、個別事件の捜査に関する件でございますので、法務大臣としては所感を述べることは差し控えさせていただこうと思います。まあ、一般論として申し上げればですね、えー、警察当局において、法と証拠にもとづき適切に対処するものと承知しております。

近藤:実にですね、がっかりする答弁でございますが。そのー、少なくともですね、警告もなしに襲いかかって、そして、あの、実質13日も身柄を押さえてですね、釈放する。ほんと異常だと思うんですよ。なぜ、この事件をですね、いわば集団的示威行動、私は集団的な意思なんてなかったと、いろんな人の話を聞いてみましてね、ないと、こういうふうに思うんですが、あのー、法務大臣は、どういう報告が上がってきてるんですか。私は事前に通告をしておりまして、ぜひお伺いをしたいと、こういうふうに思います。

森:お尋ねの事件については、本年10月28日に東京地検に送致され、検察官が裁判所に被疑者の勾留を請求して、これが認められ、11月6日、検察官において釈放したものと承知しております。まあ、今申し上げました通り、個別事件の捜査について所感を述べることは差し控えますが、刑事訴訟法は、現行犯逮捕の場合も含め、逮捕された被疑者について裁判官の発する勾留状により勾留することができる旨を規定しており、本件についても当方の規定にもとづき勾留されたものと認識しております。

近藤:まったく理由がありませんしね、10日間で全員また釈放するようなですね、そういう無様なことだったら、最初からすべきではない、不当逮捕のまさに証左が、私はここに現れているということを、指摘だけさせていただきたい、というふうに思っております。