会場の片隅に「苦学生」写真展―ボランタリーフォーラムTOKYO

Esaman2009/02/07
市民社会をつくる ボランタリーフォーラム TOKYO 2009」〜今、市民として“生きる価値”を問う〜(飯田橋)に参加してきました。会場の外の壁には、パンフレットには載っていない写真展が開催されていたので報告します。設置されたプレスルームからの速報です。

http://www.news.janjan.jp/culture/0902/0902076979/1.php

写真展の案内。「朝日が昇る5秒前」新聞奨学生の実感の伝わってくるタイトルだ。写真展の案内。「朝日が昇る5秒前」新聞奨学生の実感の伝わってくるタイトルだ。

 「市民社会をつくる ボランタリーフォーラム TOKYO 2009」〜今、市民として“生きる価値”を問う〜に参加してきました。

 初日の7日は、JanJan代表の竹内謙さんの講演がありました。JanJan設立の目的には、「政治を変えていく」ことも一つとしてあった、という話が印象にのこりました。

 その会場の外の壁では、パンフレットには載っていない写真展が開催されていたので、そちらを報告します。

仕事の合間にみかけた動物たちの写真。指さされているのは、寝ていた所を起こされて、よだれをたらしている猫。動物には主に夕刊配達の時に会うらしい。仕事の合間にみかけた動物たちの写真。指さされているのは、寝ていた所を起こされて、よだれをたらしている猫。動物には主に夕刊配達の時に会うらしい。

 この写真展は「新聞奨学生」の人たちの写真展で、主催者は「つばめの配達屋」。おもにmixiなどの呼びかけで集まった人たちで運営されているもので、今まで、都内の大学祭などで、5回ほど写真展を開催したそうです。

 参加しているのは、いま新聞奨学生として働いている学生や、かつて働いていた人たちなど10名ほど。メンバーから集めた、仕事の合間などに取った写真が展示されていました。代表の方は、今回のボランタリーフォーラムのスタッフもされていて、フォーラムの関連企画として企画したとのことです。

 活動の目的としては「最近の学生はあまり働かなかったり、やる気がない、などと言われることもあるが、新聞奨学生などで頑張っている学生もいる」ことを知ってもらいたかった、とのことでした。

 また、現役で新聞奨学生をしている学生さんは、「新聞配達をしてから学校に行くと、よく眠くなります。とても忙しいですが、それがやりがいになります。最近では、派遣切りをされた人も新聞配達の仕事に来ています。新聞奨学生は、新聞がインターネットに押されていることもあり、年々減っています」と、自分で撮った写真を解説しながら語ってくれました。

元旦の新聞配達の写真。元旦はとても分厚くて配達が大変とのこと。積まれている新聞のほかに、初日の出の写真も。携帯での写真が多い。元旦の新聞配達の写真。元旦はとても分厚くて配達が大変とのこと。積まれている新聞のほかに、初日の出の写真も。携帯での写真が多い。

 新聞配達をしながら学校に通う、と聞くと、最近ではあまり聞かなくなった話で、「伝統的な苦学生」という感じがします。そのような学生が減り、大学進学率が上がったのは、日本が豊かになった、という指標の一つなのでしょうが、一方で、新聞配達の仕事に来る、派遣切りにあった若者も増えている、という現実を見て「伝統的な苦学生」が沢山いた当時、そのようなことは、発生したのだろうか、と疑問に思いました。

 みなさまも、ボランタリーフォーラムにお越しの際は、ぜひ12階の壁にご注目ください。


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つばめの配達屋
「市民社会をつくる ボランタリーフォーラム TOKYO 2009」
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